群論

群論入門」は最後の読み飛ばしていい印がついている「多面体群」の節と、演習問題以外はやり終わりました。

代数学1 群論入門 (代数学シリーズ) 代数学1 群論入門 (代数学シリーズ)

自分で立てた問題を考えてみました。

命題「正規部分群正規部分群はもとの群の正規部分群である」は成り立つか?

成り立たない。

G = A_4 (交代群), N = {1, (12)(34), (13)(24), (14)(23)} (クラインの四元群), H = <(12)(34)>

とすると、H <| N, N <| GですがH <| Gではないので、これが反例となります。

他にも、Gを二面体群D_4として、tを90度回転の元、rを裏返しの元としたときH=, N=も反例となります。
これが|G|が最小の反例ですね。(|G|=8)

群Gの部分群Hの共役についてHの真部分になることはあるか?

ある。
G = \rm{GL}_2(\mathbb{R}),  H = \{ \begin{pmatrix}1 &x \\ 0 &1 \end{pmatrix} | x \in \mathbb{Z} \},  g = \begin{pmatrix} 2 &0 \\ 0 &1 \end{pmatrix}としたとき gHg^{-1} = \{ \begin{pmatrix}1 &2x \\ 0 &1 \end{pmatrix} | x \in \mathbb{Z} \}となります。

本当は正規部分群であるが共役が自身以外に存在するという例を作りたかったのですが、今のところ思いつきません。

追記(14:11)

N <| G, g∈GならN=gNg^{-1}はすぐ示せることでした。ですからそんな例はありません。お馬鹿。
このことにすぐ気が付かなかったおかげで行列や四元数の計算を楽しめたのでまあよしとしましょうか。特に複素数a+biに対して四元数jでの共役j(a+bi)j^{-1}が複素数a-biになるというのは意外でした。

筆者: oupo (連絡先: oupo.nejiki@gmail.com)